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「死」2025年6月

更新日:2025年12月6日

「人に話すようなものではないが」という前置きとともに、参加者さんが初めて「死」を意識した幼少期の体験をお聴きするところから始まりました。大人は取り合ってくれなかったけど同い年の親友は共感してくれた、とのこと。


幼少期の感覚と、大人になってから辛い現実と向き合った果てに感じた感覚には違いはあるものの、どちらも「無限」「未知」「底なしの無」「吸い込まれるような畏怖」など、日常生活の中のどの感覚とも違う感覚がある。哲学をやるような人は皆そういった感覚を持っているのではないか。だから「死」はいつの時代も哲学の基礎となってきた。


「死」といえば「恐怖」。この恐怖はどこから来るのか?何に対しての恐怖なのか?それは「死」そのものへの恐怖なのか、それとも「死」に至る過程に感じる苦痛に対してや、「死」によって失われるものについての恐怖なのか?死んだことがないのになぜ「死」の感覚を持っているのか?


人間は未知への興味とともに不安や恐怖を遺伝子内に持つことで危機管理ができて生き延びてきた。しかし「死」の恐怖は、科学が言う「死んで土になる」「原因はこれ」といった話や、知っているものを想像して怖がる感覚だけではなく、「世界そのものがない、存在がない、星空を見た時のような、吸い込まれるような無限への憧れ、荘厳さ」といった、何物にも似ていない感覚がある。神など不可知なものに対する感覚。


自死は動物にはなく人間だけのもの、それは人間は生存本能だけでなく社会性をもった生き物であり、社会との摩擦に悩んだ結果、自死を選択したり、社会を壊すために殺人に及んだりする。本当は社会的に成功するなどの目的なんかなくても生きられるといいのだが。自分で死を選ぶというより、社会から押し出されてしまう感覚なのでは?社会の側から「一人じゃないですよ、見守っていますよ、あなたも社会の一員ですよ」というメッセージを発信出来たら思いとどまる人が多いと思う。「本当に希死念慮が強いときは死ねず、辛さからほどけた時に自死する人が多い」そう。


権力争いなどで成り立つ人間の社会性は、高度な思考の産物というよりは、むしろ動物的本能の一部に思える。

社会自体が根源に向き合わず、かりそめの目的で動いている。社会そのものが「死(本質)」をすごく恐れている。小学校の先生は「宇宙や無限の本質など突き詰めて考えていると生きていけなくなるよ」と言った。しかし「死」「無限」を考えることでむしろ根源から生きる力が湧いてくる気がする。その意味で哲学カフェは大事。


死を恐れるのはいま生きている幸せを失う恐怖かもしれない。そうだとするとその人は何かしら生きがいを持っているはず。

ホスピスの先駆けとなった医師、キューブラ・ロスは「やり残した課題を終えると死を恐れずに納得して死ねる」と言った。

ソクラテスは毒を飲んで死ぬときに、弟子パイドンに「私は今まで体験したことのないことをしようとしてワクワクしている」といったそう。


情熱を持って生きていると死を恐れなくなるのかもしれない。精一杯生きて最後まで命を燃やしたい。





 
 
 

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